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備忘録

勉強や読書の記録

吉田鉄郎他『建築家・吉田鉄郎の「日本の庭園」』,鹿島出版会,2005

書評 文化・伝統・自然

 紫陽花の季節が近づいている.今年も紫陽花を見に名勝巡りをしようと思っているのだが,せっかく行くならちゃんと庭園を味わおうと思い,『図解雑学 日本庭園』に続き,建築家・吉田鉄郎の『日本の庭園』を読んだ.

建築家・吉田鉄郎の『日本の庭園』 (SD選書)

建築家・吉田鉄郎の『日本の庭園』 (SD選書)

 

 本書は著者が脳腫瘍と癌に侵されながら書き上げたものである.吉田氏は本書の前に『日本の住宅』『日本の建築』を出版しており,本書を含めて三部作として欧米ではロングランのベストセラーズとして評価されているそうだ.

 『図解雑学 日本庭園』よりも詳細に書かれており,また,図も豊富だ.しかし古い書籍であるためわかりづらい部分も多く,まずは図解雑学でイメージを掴んでから,本書を読むことをオススメする.内容も特別新しいことは少なかったが,西洋の整形式庭園が,18世紀になってイギリスで風景式庭園が生まれたことをきっかけに退潮を迎えたことは初耳であった.また,日本でも西洋庭園のように多彩色の庭園も存在した事実や,茶道の精神は侘び寂びだけではなく,不完全なものへの評価や古いものの再利用も含むということが新しい学びであった.

 

 庭園に関する書物を2冊読み,晩年は枯山水庭園を眺めながら過ごしたいなと思う今日この頃である.そんなゆったりとした晩年を実現するためにも,これまでの遅れを取り戻すべく猛烈に勉強しなければならない.