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備忘録

勉強や読書の記録

佐藤優『「知」の読書術』,集英社インターナショナル,2014

書評 読書術

 読書を初めて早くも1年半が経ったのだが,読書の仕方は我流だったので,読書術を学んでみようと思い,手に取ったのだが佐藤優氏の『「知」の読書術』だ.効率よく文章を読むためのハウツー本と思っていたのだが,それはどうやら『読書の技法』で語っているようで,本書は前半部分で現代社会を読み解くための近代史を,後半部分では情報を扱うためのツール活用法で構成されている.

「知」の読書術 (知のトレッキング叢書)

「知」の読書術 (知のトレッキング叢書)

 

 前半部分では現代を読み解くための近代史を簡潔に述べている.これ以上短縮することはできないため,近現代史に馴染みがない人は読んでみると良い.後半部分の前半(電子媒体の活用,英語)は既に行っていることもあって自分に響くものはあまりなかった.一転して後半部分は自分にとって新しい内容が多かった.第8章では新しい知的エリートとして古市憲寿氏を挙げている.彼は東京大学大学院博士課程に在学しながら,ベンチャー企業の執行役を務めている.彼は著作『僕たちの前途』の中でこのように語っている.

 たとえ数百億円手にしたところで,いくら社会的名声を手に入れたところで,そこで手に入るものは意外と空しいものなのではないか.お金だけを持つことの空しさを,松島は大学入学前に嫌と言うほど痛感していた.それは自分にとって本当に欲しいものなのか.自分にとって本当に欲しいものは何なのか.

 松島の出した答えは「友達とわいわい楽しんで生きること」だった. 

資本主義社会で生き残るための方法を日々考えている身としては,新しい視点だ.最低限のお金は必要だが,私もこんな人生を送りたいものだ.