加藤昌治『考具 -考えるための道具,持っていますか?』,CCCメディアハウス,2003
専門書ばかりを読んでいて時間がなかったのだが,一段落ついたので久々に本を読んでみた.
毎日寝る前の30分を読書に充てれば,一週間で一冊は読めそう.
読書習慣を取り戻していきたい.
今回読んだのは,博報堂で働くアイデアマンが書いた『考具』.
- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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スポーツには競技ごとに特有の「カラダの動かし方」があります。 それを体得しない限りはいきなり試合に出たって活躍はできません。
そうですよね?
しかし「考える」「アイデアを出す」「企画をこさえる」については、 ただ闇雲に「やれ(試合に出ろ)」と云われるばかりで、 カラダとアタマの動かし方については教えてもらえる機会がほとんどありません。
全く同じことを思っていたので,衝動買いしてしまった. 修士課程では課題解決プロセスの中でも「調査」「課題発見」を鍛えることができた. 一方で,発見した課題に対して解決策を考える方法のトレーニングはあまり積めなかった結果,アイデアを出すことについては苦手意識がある. だから惹かれたのだろう.
本書の中で「アイデア」は,ジェームス・ウェブ・ヤング著の『アイデアのつくり方』での定義「既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」とされている. このため,必要となるのは,
の3つ.
具体的な考具のメモに移る前に,印象的だった箇所を.
考えるための道具=考具という考え方,そしていくつかの考具の使用法を取り上げてきました.いろんな工具がありますし,使い方によってはどんなものでも考具になります.そしてどんな考具であっても結果としては同じことで,アイデアを出し,企画を立てる時の頭の動き方をより自然に,よりスムーズにすることが目的です.
全ての考具を使いこなせる必要はなくて(もちろん使いこなせた方が良いのだろうが),自分にとって使いやすい考具を使ってアイデアを出し,企画に出来ればそれでOK,ということ. 以下で自分にとって使いやすそうな考具をまとめていく.
アイデアを出すために必要なインプットの方法
1. カラーバス
家を出る前に,今日一日着目する色を決めて,その色を持つものを見つける手法.
もちろん形状や位置,音など色以外でも良いが,最初はハードルの低い色から.
ということで「青」に注目してみたが,いつも通っている道でも結構目につく.
試した結果,研修で「人間は聞きたい/知りたいと思っていることしか聞けない/知れない」と言われたことを思い出した.
(「知りたい」を明確にするためにも先にアジェンダを教えてくれ,と思ったが)
2. ちょいメモ
人はすぐに忘れる生き物なので,メモをする. 何に書いても構わない. 思いついたものがアイデアなら,ある程度溜まったらどこかにまとめておくと良いかもしれない. グループワークで同僚が白紙の自由帳を持ち歩いていて非常に良いな〜と思ったので,真似して白紙にメモをしてみる.
3. 七色いんこ
自分でやってみると,色々なところが気になる/目につく,という話.その通りである…
溜めたインプットを効率的に引き出してアイデアを量産する方法
1. アイデアスケッチ
紙やスライドに,アイデアのタイトルと3行くらいの説明文を書く.説明文の内容は必要性とかなんでも良いと思われる.
2. マンダラート
個人的に一番使いやすいと思ったフレームワーク.
3×3の表を書いて,中心に課題や質問を置く.
そして,それに関連する要素で周囲のマスを埋める.
埋めたら任意のマスに書かれた要素に対して更にマンダラを開き,同様にマスを埋めていく.
何が良いかというと,8個という明確なゴールがある点.
ブレストやマインドマップも同じことをやっているはずなのだが,いくつ出せばええんや〜となるので,1つのマンダラに対して8つという終了条件があるのは,終わりが見えないことを続けられない自分にはピッタリ.
3. 連想ゲーム
そのまんま.関係ないものを連想してもOK(そのうち仕事に関連するものを連想するので).
4. オズボーンのチェックリスト
詰まった時はコレ.
- 転用したら? 現在のままでの新しい使い道は? - 応用したら? 似たものはないか?真似はできないか? - 変更したら? 意味,色,動きや匂い,形を変えたらどうする? - 拡大したら? 大きくする,長くする,頻度を増やす,時間を延ばすとどうなる? - 縮小したら? 小さくする,短くする,軽くする,圧縮する,短時間にするとどうなる? - 代用したら? 代わりになる人や物は?材料,場所などを変えられないか? - 置換したら? 入れ替えたら,順番を変えたらどうなる? - 逆転したら? 逆さまにしたら?上下左右・役割を反対にしたら? - 結合したら? 合体,混ぜる,合わせたらどうなる?
出したアイデアを企画に収束させる方法
1. 5W1H
テンプレ.What, How, Who, Why, When, Where(, How much).
2. マンダラート
中心をWho,それ以外をWhat, Where, When, Whyとしてマンダラを開く. その結果,更にマンダラを開いたりしても良い.
本書を補足する『アイデアはどこからやってくるのか』も一緒に購入したので,借りているアジャイル開発の本を早く読み終えたい.
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