備忘録

勉強や読書の記録

ボー・ブロンソン,アシュリー・メリーマン『競争の科学』,実務教育出版,2014

 Amazon USでかなり評価が高かったので,読んでみた.ホルモンや遺伝子など生物学的な実験の結果を用いながら論を展開していく.

競争の科学??賢く戦い、結果を出す

競争の科学??賢く戦い、結果を出す

 

 本書の使い方は,終わりに書いてあるように,競争で落ち込んだ時に,その原因を分析し,パフォーマンスを高めるためには何が必要かを明らかにするのが良い. 

 次の一文は序盤に書かれているのだが,印象に残っている.

初心者は肯定的なフィードバックから,熟達者は批判からメリットを得る.

 後輩に指導することが少なくないのだが,ついつい正論で殴りつけてしまうので気をつけなければ…それから,成長や改善が見られた時に褒め忘れてしまうのも.こちらからまだまだでも,彼らからしたら大きな一歩なのだから,適切に認めてやらねば…

競争を脅威だと感じる場合にはリスクを取らなくなるだけでなく,ミスに強く引き摺られる.これを解決するためにも脅威から挑戦へフレームを切り替える必要がある.

競争心の炎が燃え上がるのは,高い長期的目標を持っているとき,リスクとミスが許されているとき,野心を自由に抱いているとき.

 ミスを指摘するしない問題はあるが,少なくとも自分に関してはミスを刻み付ける方が良いタイプ(忘れっぽいので).

自分のミスを繰り返し見ることでミスをしても扁桃体と前帯状皮質が過剰に反応しないようにする.また,ゆっくり呼吸することで心拍数と血管拡張を調節.

アマチュアは不安を有害なものと捉え,プロは有益なものと捉える傾向がある.プロは自分が不安を感じていると自覚している.だがそれでもまだ「状況をコントロールできる」「いいパフォーマンスをする準備ができている」「目標を達成できると信じている.

「自分は能力が高い」と言って自分を安心させることが競争でのいい結果を促すことを示す科学的証拠はほとんどない.多くの研究が,自分へのネガティブな語りかけが,良いパフォーマンスに結びつくことを示している.

 本書によると怒りが競争において有効だそうで,時間を見つけて怒りについても勉強しなければ.