備忘録

勉強や読書の記録

マーク・ピーターセン「実践 日本人の英語」,岩波新書,2013

 以前,氏の『日本人の英語』を読んだのだが,今回はその第3弾を読んだ(第2弾は図書館になかった). 

実践 日本人の英語 (岩波新書)

実践 日本人の英語 (岩波新書)

 

 今回は前半部分は適切な表現に置き換えられたのだが,後半部分ではボコボコにされ英語力の無さを思い知らされた.具体的には,第7章の『「オンリー」ひとすじ?』では日本人はよく「〜だけ」という意味を表現する際にonlyを用いるが,aloneなど,別の表現が相応しい場合が多々あるという学びを,第8章の『副詞の立ち位置』では,副詞は置かれる位置によって強調の対象が違うという学びがある.特に後者は,「副詞なんてどこに入れても成立する」と教わった記憶があるのだが・・・.

 他には,「原因や理由を表す接続詞」が持つ原因や理由へのコミットメントの強さ.because, since(書き言葉ではas, for)は原因や理由が結果に論理的に強く結びついていなければならない.しかしandはそうした単語よりも結びつきが弱い場面で使われる.また,soはbecause, sinceよりももっと強く結びついてる場合に使う.ちなみに,becauseは読み手が知らない新たな情報を用いる場合に,sinceは既知の情報を用いる場合に使うらしい.知らんがな…

 第10章も印象深い.「そこで,」という意味で Then, と表現してきた記憶が結構あるのだが,実際にはThenの後にコンマを打つ用法はないらしい.「そこで,」に最も近いThenの意味は「だったら/それなら」だが,その場合は論理的な結合が明確でなければならない.As a resultも同様で,参考書には「結果として」と書かれている印象だが,実際には「(当然の)結果として」という強い因果関係を表すらしく,必ずしもAs a resultを用いるのが良いとはいえない.As a resultはThereforeなど「したがって」で置き換えられる場面のみで使うらしい.

 その他にもThese daysは「最近」ではなく「いまどき」というニュアンスなど,前回同様学びの多い一冊だった.最後に,『おわりに』より以下の文を引用する.

「あとがき」の締めくくりにはふさわしくないかもしれないが,ひとつだけ最近の日本で,気になっていることに触れたい.英語か日本語かに関わらず,文章の意味をしっかりつかむ,よく考えて文章を作る,といった基本的なことがちゃんとできているかどうか,不安に感じることが増えてきたのである.それは学生に限らない.

自分も2年前に比べたら大分マシになったと思うが,それでもダメなところはたくさんあるんだろうなあ…